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社会学的新自由主義による現代の位置づけ、並びに、その文化的・社会学的視点が今日の経済・社会政策に与える影響に関する考察-A.リュストウの所説を巡る検討を中心として-
- 資料種別:
- 論文(リポジトリ)
- 責任表示:
- 石田, 一之 ; Ishida, Kazuyuki
- 出版情報:
- 九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会, 2022-03-31
- 著者名:
- 掲載情報:
- 九州地区国立大学教育系・文系研究論文集 — The Joint Journal of the National Universities in Kyushu. Education and Humanities
- ISSN:
- 1882-8728
- 巻:
- 8
- 通号:
- 2
- 開始ページ:
- No.8
- バージョン:
- VoR
- 概要:
- 本稿では、第1節では、ドイツの社会学的新自由主義のアレクサンダー・リュストウ(Alexander Rüstow)の主要著作である『現代の位置づけ』の内容の検討を中心としながら、歴史的、文化社会学的視点からみた現代の位置づけという問題を検討する。第2節では、リュストウの現代の位置づけを巡る社会学的分析とそこから導かれた政策論の今日的意義に関連した事柄を中心に取り上げる。現代の位置づけの議論に関連して、人間の社会学的状況の分析を表すものとして用いたVitalsituat
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ionの概念や、その政策分野への応用としてのVitalpolitikの考え方が、今日、欧州を中心として社会的包摂や社会的統合ををめぐる政策の議論が活発化する中で、新たな政策的意義を持つものとして捉えられるようになった。 『現代の位置づけ』においては、近代以降、あるいは現代の社会を合理主義的思考が優位した産業社会と捉え、自然や技術の問題、ならびに社会、経済、政治の各分野における諸問題が扱われている。20世紀の産業化された社会システムにおいては、感情と切り離された理性が優位となり、伝統的諸条件の解体が進行し、他の人間並びに自然との人間的共生にとっての崩壊的帰結があらわれた。 これに対して、世紀の転換をはさんだ時期を中心として、本稿の第2節で取り上げたように、欧州を中心に社会のすべての構成員の社会への包摂を志向する動きが明らかとなり、また地球環境問題を巡る動きもより活発化して現れた。
本論文は「九州地区国立大学教育系・文系研究論文集」Vol.8, No.2(2022/3)に査読を経て受理された。 続きを見る - URL:
- http://hdl.handle.net/20.500.12000/0002017859